心のウォーミングアップバックナンバー
2014.03.03
ツールは誰のもの?
ここケット通信第7号です。
今回は、道具(ツール)の使い方の話です。
よく、発達的になんらかの偏りがある、お子さんに有効だといわれている、視覚支援ツールとか、ルールブックとかを作ったり、トークン法と呼ばれているような、ご褒美シールとかがあります。
たいていの方は上手に使われていると思うのですが、たまに聞くのが、「上手くいかなかった」「効果がない」ということです。
こういう場合、よくあると思うのが、大人にとって都合のいいルールだったりするんですよね。
道具というのは、いったいなんのためにあるんでしょうか?
例えば、私がいまこれを書いているために座っている椅子。これは私が、書きやすくするための椅子ですね。ご飯を食べる時のお箸やスプーンも、本人が食べやすくするものです。
要するに、道具というのは、当事者にとって、生活などが過ごしやすくするものです。
これをもう一度、お子さんの支援に使うツールにあてはめてみましょう。
子どもにとって、過ごしやすくするツールになってますか?
大人がいうことを、きかせるためだけになってません?
それは、例えるなら、おしゃれな椅子を座りにくいけど、デザイナーさんが素晴らしいからと無理やりに座らせているようなものです。
もちろん、子どもに試す支援ツールは、最終目的は、社会の枠組みにあてはめるためのものです。でも、その一歩手前に、子どものためのもの、嫌なことをモチベーションを上げて頑張れたり、言葉で通じて伝わらない方に、分かりやすくするためのツールです。
決して、言う事をきかせるためのツールではないのです。
道具の本質を忘れると、こういう思考の路地に迷いこんでしまうのではないかなと思うのです。
みなさんの道具は、自分(当事者)のものになっていますか?
私の仕事もみなさんの役に立つ道具でありたいものです。
当たり前だけで、忘れがちなことだなと思って、書いてみました。